ホーム企画展 浮世絵に見る西洋音楽の受容

2013年 3月26日~4月7日

浮世絵に見る西洋音楽の受容

 第16回スズキ・メソード世界大会が松本市で開催されます。スズキ・メソードは創始者の鈴木鎮一先生の「全ての子供を立派に育てることこそが豊かで平和な世界を創る」という理念に基づき、大きな成果を挙げてこられました。鈴木先生は松本とも縁が深く、松本の誇りといえます。

 当館ではスズキ・メソードに敬意を払い、浮世絵の中に描かれた西洋音楽の受容について皆様にご覧に頂きたいと考えました。 日本人はバイオリンを見たときに、その演奏法を理解できませんでした。そのためバイオリンを撥で弾くような絵が描かれました。そのそばでは三味線が弾かれ、音楽が世界共通のことばであるということが無意識に理解されていたことがうかがえます。そして日本の民衆が最初に耳にした西洋の音楽、それは横浜に駐留した各国の軍楽隊のマーチであったことも理解されます。やがて西洋音楽は上流階級の中に定着し、同時に小学唱歌として学校教育の中で歌われ、今日の日本社会に定着していきました。浮世絵を通してご覧いただけたらと存じます。

  また江戸時代の終わりから明治にかけて大流行したのが月琴でした。浮世絵には多く描かれ、これも合わせてご鑑賞いただけたらと思います。月琴は中国から入った楽器で、日清戦争のときに敵性楽器として廃れました。中国からの音楽も清楽と呼ばれて日本文化に大きな影響を与えました。音楽は豊かな文化を創造します。鈴木先生の「豊かで平和な世界を創る」という志の大切さがこれからも理解できます。

 

 なお四月からは江戸時代の工芸の最高傑作の一つである松本喜三郎らによる生人形を描いた浮世絵を中心とした、江戸の見世物小屋を再現した展示をおこないます。こちらもご覧いただければ幸いです。

 

横濱異人商館之圖

横濱異人商館之圖

大調練之圖

大調練之圖

 

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