2013年 1月4日~3月31日
松本の動物園(浮世絵に見る十二支)
今年は巳年、それにちなんだ絵はたくさんあるのですが、富士講の蛇は季違い、肝を冷やすような絵柄のものは夏向きと、作品の選定に苦しみました。縁起よければすべてよし、正月にちなみある七福神のその一人、歌麿描く不忍池の弁財天に景気の回復を祈り、毒蛇のあぎとを逃れる国芳の讃岐は志度の玉取り、辰から巳への歳替わり、さらなる飛躍と、理屈はをつけてみましたが、とどのつまりは、世間では当たり前、当館では初めての試みの、十二支にちなんだ動物を描いた作品を展示することとなりました。
信州の山々を描いたことで知られる吉田博の虎の作品や、貞秀の横浜絵、古いところでは政信のネズミ、広重の大短冊も取り混ぜて、浮世絵の博物館が転じて動物園となりました。初めて展示する作品も多く、お楽しみいただければ幸いです。